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全てのリクルーターが知っておかなければならない東南アジアの労働市場の7つのトレンド

2018年も第二四半期に入り、すぐに上半期が終わってしまいます。リクルーターとして、労働市場の最新のトレンドを知っておくことは、才能のある人を勝ち取る上で重要です。しかし、多くのリクルーターは日々の仕事に追われ、トレンドに目を向ける時間がありません。

幸運なことに、キャリアリンクアジアによって行われた2018 Job outlook & salary surveyのおかげで、リクルーターは今年の残りの日々に役立つ重要な労働市場のトレンドを簡単に知ることができます。7カ国から4692人の候補者と624人の雇用主が調査に参加し、全てのリクルーターが知っておかなければならない労働市場のトレンドを7つ発見しました。

1. 全体的な雇用のあらまし

アジアの全体的な雇用のトレンドは明確で、65%の雇用主が雇用率の維持または上昇をすると回答しました。さらに、「雇用の凍結」が見られたのはたった7%で、28%は必要なポジションの配置換えのみ雇うとし、地域での活動を活発にすることを断言しています。

これらのアジア経済にとって、楽観的な見通しの鍵となるのは、新たに制定された税制改革法です。これによって消費の拡大、地域のビジネスの拡大、起業の増加、製造業などの発展、海外企業の進出などにつながり、結果、雇用創出と多様なスキルのニーズが高まると見られています。

2. 雇用時期

2018年の第一四半期は雇用のピークとされ、その後は落ち着きつつあります。

2018年の中で一番ピークの月は3月で、調査された16%の雇用主がこの月に雇用することを好んでいます。なぜなら、多くの労働者は13~14ヶ月の勤続ボーナス(1月に支払われることが多いです)を受け取った後やめてしまうことが多いからです。

もう一つ考えられる理由は、アジアの多くの労働者は2月に祝われる春節のお祝い後に辞職することが多いからです。春節が終わり、新たな年を迎えるにあたって新たなキャリアを検討することは、アジアの労働者にとっては人気の文化となりつつあります。

興味深いことに、この調査で雇用主の11%が雇用活動を6月にすることを好むということも明らかになりました。これは大学を卒業してくる新卒者が6月に増えるということが理由でしょう。また、中間ボーナスをもらって離職する労働者がいるという点も関係しています。

雇用活動は2018年の第四四半期にはスローペースになり、5%の雇用主が10月に、4%が11月と12月に行うと回答しています。これは年末の休暇時期に重なることから、この時期に離職する人は少ないため、本当に欲しい人材がいない限りは活動しないようです。

3. 好まれる就職活動の手段

GoogleとTemasekの報告によると、東南アジアは世界で3番目にインターネットの利用者が多いと言われています。2017年12月は3億3000万人がインターネットを利用し、2018年にはモバイルインターネットの利用が増えたため、インターネットを使った就職活動が求職者(36%)にも雇用主(52%)にも好まれていることは納得できます。

実際に、最近のオンラインの仕事情報は技術の進歩により、ターゲット選定をすることができます。さらに、いくつかのオンラインの仕事の掲示板では特定のバックグラウンドや産業に特化して検索し、メッセージのやりとりをすることも可能で、直近の求職者だけではなく、過去のものまで見ることができるので、リクルーターには力強いツールとなっています。

紹介によって就職活動をしたり(15%)、求人活動を行う(15%)ケースも多く、好まれる手段のトップ3に入ります。さらに、オンライン上で企業の求人情報を直接検索するという手段も人気で、18%の求職者がこの手段を利用し、11%の雇用主がこの手段を利用して雇用していると回答しています。

4. 求職者の就職活動

地域のインターネットの利用の増加に伴い、求職者はオンラインジョブポータルを使い、仕事の応募をするときに雇用市場の選定を行なっています。調査が明らかにしたことは、タイではオンラインでの応募が一番多く、6.02ポイントが新しい仕事に応募するときにオンラインジョブポータルを利用すると回答しています。この回答方法は、1~7のスケールで、1は全くそう思わない、4はどちらとも言えない、7が強くそう思うという評価で回答してもらいました。

この調査では、多くの求職者が現在の仕事や雇用主の元を離れるつもりだと結論づけています。平均のスケールが5.70と5.51となり、7カ国全てで求職者が常に新たな仕事に応募する機会を探していることがわかりました。実際に応募していない人にとっても、7カ国の平均スケールは4.30で、自分に合った仕事があれば、キャリアの変更に前向きであることもわかりました。平均が3.41という数少ない求職者は来年今の職を変える気は無いと言っていました。

5. 雇用が盛んな産業

リクルーターは、雇用が盛んな理由について、急成長によるものなのか、適格な人材の不足によるものなのかを覚えておくべきです。雇用が盛んな産業のトップは、金融、財政、製造業、ヘルスケア、IT関係のサービス業となっています。それから次いで、貿易と流通、建設業とエンジニア、教育、小売、マーチャンダイズと卸売業です。

近年、今回調査した国々では外国からの投資が多く、特に急成長した中国の企業が香港へ進出し雇用機会を促進しています。ITの専門家は、企業がより多くのデータを取り扱うようになってからは需要が高くなりました。

キャリアリンクアジアによる歴史的な求人広告のデータによると、製造業の雇用は、コスト削減や国内消費の促進、インフラ整備のために多くの製造業者が東南アジアに流入してきたことから、盛んになっています。また、デジタルトランスフォーメーションによって消費者がデジタルバンキングや財政サービスを使うようになり、IT産業、金融業、財政部門での人材の需要も増えています。

興味深いことに、シンガポールはヘルスケア部門の雇用が活発な唯一の国です。世界規模の医療機関があることで知られているためでしょう。さらに、シンガポールの高齢者人口の増加が著しく、ヘルスケアの専門家の需要は今後も増え続ける見通しです。また教育にも力を入れている国なので、教育分野の雇用も増加しています。

マレーシアは製造業、金融業、財政業、建設業やエンジニア部門での雇用に力を入れています。これは国の成長率が2017年に5.7%を記録して以来、製造業が拡大しており、それに伴って財政分野でも雇用が拡大しています。マレーシアの製造業も雇用の拡大が続く見通しで、これは現在進行中のプロジェクトや政府の鉄道関係のプロジェクトによるものです。

インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンでは小売業や卸売、マーチャンダイズが高い雇用率を有しています。これは伝統的なレンガやモルタル小売店が未だに経済の中で根強く影響しているためだと考えています。

6. 最も求められている専門家

キャリアリンクアジアによる歴史的な求人広告のデータは、セールスやマーケティング、ビジネス開発、財政や会計、顧客サービスや管理についての専門家の需要の高さを明らかにしました。これは2018年の残りの日々でも続くものだと思われます。

他に需要が高い専門家は、管理者やHR、ITやエンジニアです。ITは香港、マレーシア、ベトナム、フィリピンで需要が高く、この地域ではデジタルトランスフォーメーションがトレンドとなっています。HRの専門家でビジネスの知識が豊富な人は、香港やタイで仕事を見つけやすくなっています。

7. 高度成長した産業

キャリアリンクアジアによる歴史的な求人広告のデータは、昨年様々な産業が成長しました。高度成長率は拡大を示唆し、特定の産業ではビジネスサイクルの中で上り調子です。このトレンドに乗ることで、リクルーターはトレンドの先端にいることができます。

インドネシアとシンガポールでリクルーターは、会計、監査、税金関連の仕事に目を向けておく必要があります。これらの業界は204%の成長率を記録し、求人を85%成長させました。

コンサルティングはマレーシアで需要が高く、昨年の求人率は46%と他の業界よりも先を行っています。一方でコンピューターやIT関係の仕事の求人はフィリピンで多くなっています(+19%)。

建築や建設業はタイで需要が高く、昨年の求人は130%となっています。ベトナムは保険に特化した仕事の需要が高まりつつあり、求人は74%に上昇しています。

リクルートというのは、単に適格な人材を野党だけではありません。トレンドに敏感になり、戦略的な雇用プランを立てることも重要な役割です。リクルートは最新のトレンドや労働市場の需要によって定期的に変化していきます。リクルーターとして、トレンドを理解することは他リクルーターよりも前に進むことができます。